ノーコード開発がビジネスの世界で急速に普及していますが、その新しいアプローチと独自の開発プロセスから、多くの方が「ノーコードで本当にデータは安全なのか?」という疑問を持っています。
特に、従来のコーディングによる開発とは異なる方法でのアプリケーション構築に対する知識がないため、セキュリティ面でのリスクや課題が生じるのではないかとの懸念が浮上しています。
本記事では、適切なセキュリティ対策を講じたノーコードプラットフォームは、従来のコードベースのアプローチと同様に、またはそれ以上に安全であるというノーコードのセキュリティについてご紹介していきます。ノーコード開発を依頼したいが、セキュリティ面が不安だと思われている方はぜひご一読ください。
1. ノーコード開発とは?
ノーコード開発は、コードを書くことなくアプリケーションやウェブサイトを構築できる技術のことを指します。これにより、非技術的なバックグラウンドを持つ人々も、ビジネスのニーズに応じて迅速にソリューションを開発することが可能となりました。
ノーコード開発の定義
ノーコードプラットフォームは、ドラッグアンドドロップのインターフェースや視覚的なツールを使用して、ユーザーがアプリケーションをデザインし、フローを作成することができます。これにより、伝統的なコーディングの必要性が排除され、開発プロセスが大幅に高速化します。
ノーコードの利点と可能性
ノーコードのアプローチは、ビジネスのアイデアを迅速に実現するための強力なツールとなっています。短いタイムフレームでのプロトタイピング、低コストでの開発、及び継続的なイテレーションの容易さなど、多くの利点があります。
2. 懸念されているノーコードのセキュリティ
ノーコード開発が広まる中、そのセキュリティ面に関する疑問も増えてきました。ここでは、一般的に懸念されるセキュリティの問題点と、ノーコードが持つ新しいセキュリティの視点を解説します。
一般的なセキュリティ懸念
外部の攻撃 = ノーコードプラットフォームは、外部からの攻撃に対してしっかりと防御できるのか?
データの漏洩 = ノーコードを利用することで、データの漏洩や不正アクセスのリスクは増えるのか?
セキュリティ更新 = プラットフォームはセキュリティを定期的に更新しているのか?
ノーコードがもたらすセキュリティ視点
プラットフォームのセキュリティ = 提供される機能や対策は、データをしっかりと守ることができるのか?
データの管理 = データはどこに保存され、どのように保護されているのか?
アクセス制限 = ユーザーや開発者のアクセス権限は、適切に設定・管理されているのか?
3. ノーコードプラットフォームのセキュリティ対策
ノーコードプラットフォームは、従来の開発ツールとは異なるアプローチを採用していますが、セキュリティに関する深刻な課題に取り組んでいます。
ここでは、
ノーコードツール毎のセキュリティ対策紹介
セキュリティ問題毎の対策紹介
前述したノーコード開発の懸念点に対する対策紹介
に分けて解説します。
1. ノーコードツール毎のセキュリティ対策紹介
まずは、特定のノーコードツールのセキュリティ対策を見ていきましょう。
Bubble
Bubbleは、アプリケーションのデータ転送にSSL/TLSを利用して暗号化を実現しています。また、ユーザーアカウントのセキュリティを高めるための二段階認証や、データベースの保護としてのアクセス制限・ファイアウォールも導入しています。さらに、システムの安全性を保つために定期的な外部監査を受けています。
Adalo
Adaloも、データの安全性を確保するために、データベース内のデータを暗号化して保存しています。データの転送時にはSSLを利用し、暗号化が施されます。アクセス制限の設定機能も提供されており、公開範囲を自由に選択できます。さらに、万が一のための定期的なバックアップも特徴としています。
Glide
1. HTTPSを使用したデータの暗号化: Glideは、アプリケーションでのすべてのデータ転送をHTTPSを通じて暗号化します。
2. Google Sheetsのセキュリティ: GlideはGoogle Sheetsをバックエンドとして使用するため、Googleの強固なセキュリティ体制を継承しています。
3. ユーザー認証: Glideアプリは、ユーザー認証機能を提供し、特定のユーザーのみにアクセスを許可することができます。
Wix
1. SSL/TLSによるデータ暗号化: Wixは、ユーザーのウェブサイトでSSL/TLSを自動的に有効化し、安全なデータ転送を保証します。
2. DDoS保護: Wixのインフラは、DDoS攻撃からの保護を含む多層のセキュリティ対策を取り入れています。
3. データベースのセキュリティ: Wixのデータベースは、不正アクセスやデータ漏洩から保護された状態で運用されています。
Shopify
1. PCI DSS準拠: Shopifyは、クレジットカード情報の取り扱いに関する国際的なセキュリティ基準であるPCI DSSに準拠しています。
2. SSL証明書: すべてのShopifyストアはSSL証明書を持っており、安全な取引を保障します。
3. 定期的なセキュリティ監査: Shopifyは、第三者機関による定期的なセキュリティ監査を受け、システムの安全性を確保しています。
Zapier
1. データ暗号化: Zapierは、データの保存および転送時に暗号化を行い、データの安全性を確保しています。
2. 二段階認証: アカウントのセキュリティを強化するための二段階認証をサポートしています。
3. 定期的なセキュリティレビュー: セキュリティのベストプラクティスに従い、定期的なセキュリティレビューとアップデートを行っています。
Microsoft Power Apps
1. ロールベースのアクセス: ユーザーやグループに対して特定のアクセス権限を割り当てることができます。
2. データ保護: Microsoftのセキュリティモデルを利用して、データを保存・転送時に暗号化しています。
3. セキュリティ監査: 定期的なセキュリティ監査を行い、アプリケーションの安全性を確保しています。
Notion
1. SSL/TLSによる暗号化: Notionは、すべてのデータの転送をSSL/TLSを使用して暗号化しています。
2. バックアップ: データの喪失を防ぐため、定期的なデータバックアップを実施しています。
3. 二段階認証: ユーザーアカウントへの不正アクセスを防ぐため、二段階認証をサポートしています。
2. 個人情報やデータ漏えい、不正アクセスなどの項目毎のセキュリティ対策紹介
次に、特定のセキュリティの要点やリスク項目ごとに、どのような対策が取られているのかを見ていきましょう。
個人情報の保護
ユーザーの個人情報は、その重要性から最も守られるべきデータの一つです。多くのノーコードプラットフォームは、保存されるデータを暗号化することで、第三者によるデータの読み取りを防止しています。また、GDPRやCCPAなどの法規制に準拠し、ユーザーのプライバシーを守っています。
データ漏洩の防止
データの安全性を確保するためのアクセス制限やファイアウォールの導入、そして定期的なセキュリティ監査により、システムの脆弱性を早期に発見し、データ漏洩を防ぐ取り組みが各プラットフォームで行われています。
不正アクセスの防止
ノーコードプラットフォーム上での不正アクセスは、データの漏洩やシステムの不正利用を引き起こすリスクがあります。多くのノーコードツールは組み込みのユーザー認証機能を提供しており、アプリケーションへのアクセスを特定のユーザーや役割に限定することができます。さらに、ログの自動監視機能により、不正アクセスの兆候や異常なアクションを即座に検知し、迅速な対応を可能にします。
3. ノーコードのセキュリティ懸念点に対する対策
最後に、「2. 懸念されているノーコードのセキュリティ」で出したノーコードのセキュリティに関する懸念点に対する対策を見てみましょう。
外部の攻撃への脆弱性
多くのノーコードプラットフォームは、外部からの攻撃を検知・防御するためのファイアウォールやWAF(Web Application Firewall)を導入しています。また、DDoS攻撃対策として、トラフィックの監視やフィルタリング機能も実装されています。
データの漏洩
データの暗号化、アクセス制限、二段階認証など、データ保護のための多岐にわたるセキュリティ機能がノーコードプラットフォームには組み込まれています。これにより、データの漏洩リスクを大幅に低減することができます。
セキュリティ更新の頻度
多くのノーコードプラットフォームは、セキュリティの脅威に迅速に対応するため、定期的なシステムアップデートを行っています。また、セキュリティ監査を受けることで、新しい脅威に備えた対策を講じることができます。
プラットフォームのセキュリティ
ノーコードプラットフォームは、コードを書かずにアプリケーションやウェブサイトを開発するためのツールであり、それ自体が多くの企業やユーザーからの信頼を得るために、高度なセキュリティ機能を組み込んでいます。多くのノーコードツールは、データの暗号化、DDoS攻撃の検知と緩和、そして外部からのセキュリティ監査を定期的に受けるなど、データの保護を確実にするための対策を講じています。
データの管理
ノーコードプラットフォームのデータ管理は、使用されるクラウドインフラに依存することが多いです。例えば、GlideはGoogle Sheetsをバックエンドとして使用しているため、Googleのクラウドインフラのセキュリティ体制を継承しています。データはこのような信頼性の高いクラウドサービス上に保存され、暗号化されてアクセスが制限されることで、データの安全性が確保されます。
アクセス制限
アクセス制限は、ノーコードプラットフォームのセキュリティの中心的な部分を担っています。多くのノーコードツールでは、アプリケーションやデータベースへのアクセスをユーザーや役割ごとに細かく制限することができます。ビジュアルなインターフェースを通じて、誰がどのデータにアクセスできるのか、どのような操作が許可されているのかを明確に設定できます。これにより、データの不正アクセスや漏洩のリスクを大幅に減少させることができます。
5. ノーコード開発の安全性に関するよくある誤解
これまでに述べてきた内容を含めて、ノーコード開発の安全性に関するよくある誤解をいくつか紹介します。
誤解:ノーコードはプロフェッショナルなコーディングに比べてセキュリティが低い。
真実:多くのノーコードプラットフォームは、企業や組織のセキュリティ要件を満たすための多層的な対策を講じています。主要なノーコードプラットフォームは、セキュリティエキスパートの監査を受け、その結果を公開しています。
誤解:ノーコードは、データを外部のクラウドサービスに保存するため、データ漏洩のリスクが高い。 真実:多くのノーコードプラットフォームは、信頼性の高いクラウドサービスプロバイダーと提携しており、データの暗号化やバックアップ、アクセス制御などの高度なセキュリティ機能を利用しています。
誤解:ノーコードアプリは、カスタムコードを使用しないため、特定のセキュリティ要件を満たすことができない。 真実:ノーコードプラットフォームは柔軟性が高く、多くのセキュリティ要件に対応するためのオプションや設定を提供しています。
・ノーコードがセキュリティを向上させるケース
一貫性の確保:ノーコードプラットフォームは、アプリケーション開発の過程で一貫したセキュリティポリシーを適用することができます。これにより、ヒューマンエラーや個別のコーディングミスからくるセキュリティの欠陥を最小限に抑えることができます。
迅速なパッチ適用:セキュリティの脆弱性が発見された場合、ノーコードプラットフォームは迅速にパッチを適用することが可能です。これにより、リスクを迅速に軽減し、ユーザーデータを保護することができます。
セキュリティのベストプラクティスの自動適用:ノーコードツールは、セキュリティのベストプラクティスや推奨される設定をデフォルトで提供することが多いです。これにより、開発者がセキュリティに関する深い知識を持っていなくても、安全なアプリケーションを構築することができます。
以下資料はノーコードのセキュリティに関する資料です。もう少し詳しく知りたいという方はぜひご覧ください。
まとめ
ノーコード開発の台頭は、ビジネスのデジタル変革を加速させていますが、その背後には常にセキュリティの懸念が存在します。今回の記事を通じて、ノーコードが持つセキュリティの強さとその取り組みを理解していただけたかと思います。
ノーコードプラットフォームが提供するセキュリティ機能や対策は、従来のコーディングベースの開発と同等、あるいはそれ以上のものであることが多いです。ツール自体の進化とともに、セキュリティへの意識と対策も進化しています。そして、ノーコード開発を取り入れることで、企業や組織はデジタル化のスピードを上げつつ、データの安全性も確保することができます。
最後に、技術の選択やツールの使用に関する判断は、それぞれのビジネスニーズや状況に応じて行うべきです。しかし、セキュリティを理由にノーコードの導入を避ける前に、その真実を知り、適切な評価を行うことが大切です。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!